日日是好日

日々の感動に感謝を込めて

初めて劇団朱雀公演を観に行って 魂が抜け落ちた話

(劇団朱雀ぎふ葵劇場幕引き公演 12/20昼)

 

  

(まず初めに、当方劇団朱雀公演をはじめ、大衆演劇の観劇は初めてです。経験不足ゆえ見当違いな表現等がありましたらどうぞお許しください。笑って流して下さると幸いです。)

 


今回縁あって太一くんのファンクラブの方に誘われて劇団朱雀公演を観に行く機会を得ました。
もちろん太一くんの美しさは以前から知っていて、それは彼が15歳くらいの頃、大衆演劇の華、奇跡の女形現る!みたいな特集が何度もTV放映されていたからです。当時年齢的に中学生の太一くんは、まだ体が大人にはなりきれて無くて線も細く、可愛いらしさと大人の色気が混在しているような不思議な美しさがありました。

若さゆえに醸し出す色気は危うくて、太一くん独特のオーラと相まって、奇跡の女形の名に相応しい唯一無二の姿を、今でも鮮明に思い出すことが出来ます。ですが大衆演劇と言うと必ず出てくるのが万札を大量に着物に挟んだ写真。到底自分が足を運べる領域では無いと思い込んで、舞台に行くことはありませんでした。

今から思うともっと早くに行けば良かったー!って気持ちですけど!

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、念願叶っての初朱雀公演。20日お昼の感想です。

 

JR岐阜駅からトコトコ歩いて10分ほど。道はひたすら直進なので迷う事なく劇場に到着。一番手前に劇団朱雀、次に役者さんの名前の入った赤い幟がヒラヒラと風に揺れているのが視界に飛び込んできて、否応なしにテンションが上がる。
しかし、ドンキのウインドーに貼られている「閉店しました」の貼り紙が哀愁を誘う。このせいで葵劇場も閉館なのか…?って思うと恨めしいよ、ドンキ…。ってか、幟を写真に撮ろうとするとドンキの黄色い文字が入り込むし、一番前にはドンキのペンギンちゃん居るしで閉店してもなお主張が激し過ぎるのはどうなのか(笑)。

 

ぎふ葵劇場は想像していたよりもずっと綺麗で本格的で、閉館しなくちゃいけない理由がさっぱりわからないほどの素晴らしさ。私は色んなお芝居観に行ってるので小劇場も色々見てきたけど、文句なしに上位の劇場と断言できる。こじんまりとしたホワイエも小劇場ならではだし、眺望抜群、洗面所も綺麗で文句の付けようがない。まさにミニ歌舞伎座。洗面所は劇場の方が入口に立って男性用も開放して下さったりして、温かなおもてなしを受けている気分になりました。ハード面もソフト面も最上級。何度も言っちゃうけど、残念、悲しい以外の文字が浮かばないよ……。

 

はやる気持ちを落ち着かせながら座席に着いて、開演までの待ち時間はさながら昭和歌謡曲のヒットパレード。私にとっては「うわあ懐かしい曲〜」なんだけど、若い人には逆に新鮮なのかな。米米CLUBとか、もんたよしのりとか知らない世代のお客さま多いと思う(笑)

ドキドキしながら待っていると、時間通りに開演のベル。さあ幕が上がるよ!

 


第一部 


胡蝶の夢 (Rin)

あまりの美しさに息することを忘れる、ってこういうことを言うのね…と思い知らされた冒頭。
この目の前の人はこの世の人か?いや違うだろー!って思わず叫び出しそうになった。いきなり衝撃度MAX。手にしていた懐紙を唇で挟むところとか、変な声出そうになったマジで。
私の知ってる危うい美しさの太一くんは、すっかり大人の妖艶な女性(?)に変貌を遂げていて、滲み出る色気が半端ない。究極の艶やかさに裏打ちされた圧倒的な存在感…ヤバイな…。
モノトーンのお着物好きだな良いなあー! 美しい!
打掛の裏地のシダの葉文様といい、下の部分の若草色の染めといい、どこにも隙がない。想像し得る完璧な、贅を尽くした花魁が、まさに手の届きそうな距離に居る。目眩がしそう。
曲が終わり照明が落ちて、やっと肩の力が抜けました。1曲目から疲れた(笑)

  

 

曼陀羅 (梅沢富美男)

前半の友貴くん部分は女性のみの群舞。胡蝶の夢で上がった心拍数をここで戻して正気に戻る。
そして登場「日本の宝、早乙女太一!」
太一くんの姿は江戸時代の人気歌舞伎役者さんみたいだなーって思ったのですけど、これは男役ってことで合ってる? 梅沢富美男さんの歌に聞き惚れながら、女形とはちょっと違う中性的な太一くんを鑑賞する。幸せかー。
黒の着物と羽織、羽織下半分と着物裾部分に柄あり。茶に黒の格子柄の帯もお洒落だな。羽織の紐はワインカラー。渋い。女性だと差し色は綺麗な赤にするんだろうけど、ここはワインカラー。ってことはやっぱり男性役か。
比較的冷静に見てると思ってたのに最後、着物の裾をパンって払って朱の襦袢を見せつつ片膝立てるところで悩殺された。アレはずるい(笑) やられた感(笑)

 

 

愛はかげろう (雅夢)

葵陽之介さんの舞踊。
正直、画面越しに観てるだけではこの存在感は分からなかった。出てきただけでその場がパーっと明るくなる。ファンサもしっかり、目力ばっちり、凄い人だと思った。大衆演劇のお手本のような人じゃないかな。しかもこんな派手な着物(浮世絵いっぱい描いてある超絶ド派手な衣装)着こなせる50代居ないって。さすが太一くんのお父様。
「奥さん、わたしはまだまだ現役です」(そうだろうよ!)

 

 

淡雪の恋ー万珠沙華ー (村冶崇光)

幻想的な長唄の前奏に、既に心は異世界へ。
これまた人外レベルの美しさは規格外。さしずめ平安時代能舞台に人外の美しい妖が降り立って、能をひと舞する感じ。
黒の着物(恋曼荼羅と一緒っぽい)に黒の袴と紫の帯。白の着物(紗)を羽織って赤い紅。黒の長髪が白い着物の上で踊り舞ってこの世のものとは思えない。特に黒の袴は同色で細かい柄が織り込んであって、ライトが当たるとキラキラ光を反射するから美しさが際立つ。黒の帽子の結び目を解くのに少し手間取ってるのが見えて、大丈夫かな?って一瞬思ったけど、パッと帽子を取って客席をひと睨みするところで、そんなちっぽけな心配全て吹っ飛んだ。ぶわっと鳥肌が立った。
なんて優美な舞なんだろう。でも力強い。緩急ここに極めけり、って正にこのこと。私は幻を見てるんじゃないだろうか…と、ふわふわした気持ちでいたら、幻のように消えていった…。
これはなんだ、美しい妖が見惚れてる人の魂奪って天に戻って行く場面、、なのか……。

 


かもめが翔んだ日 (渡辺真知子)

鈴花奈々さん、太一くんお母様の舞踊。
淡雪の恋の余韻をぶった斬るように唐突にイントロが入り込んできたね(笑)。

ねえこれもうちょっと間を空けても良くない?って音響さんと膝突き合わせて是非語り合いたい心境。
気を取り直して、奈々さんは姉さんって呼ぶのか(メモメモ)。「踊りながら3人の子どもを産みました」って紹介アナウンスも秀逸。
前に映像で見たバージョンでは1番だけだったけど今回は2番もあって、かもめちゃんず登場は2番から。前知識で須賀くん参加と聞いていたので一生懸命探したけれど、動きが速すぎて良くわからなかった(笑)。残念。
余談ですけど、観客の方々の絶妙な手拍子に感動しました。次回は私も頑張ろう(笑)

  

 

雪月花 (Scene of Heaven)

太一くん、今度は天から舞い降りた天女かな。
長い黒髪流して高い位置でのハーフアップ。白い番傘を手に俯く姿は、妖艶さよりただひたすらに可愛い。番傘を使った舞踊は、扇子と違って優雅で美しい。ツンとすました顔も綺麗だけど、少し笑みをたたえた表情は少しだけ幼く見えて、私はこっちも大好きだなあ。(結局はどっちも好き笑)
髪型と仕草だけでこんなに演じ分けられるものなのか。
ちょっと待って。花魁(豪華絢爛)→人気歌舞伎役者(粋)→人外美の妖(異次元)→天女(可憐)の流れ。色んな太一くん拝めて最高か!
全身、白のコーディネートだけど、襟元と帯下から見える(伊達締め?)の紫色がとても映える。紗の着物を羽織るのではなく、帯に差すところが憎い演出。着物の袖口が藤色なのは、優しい雰囲気出すのにひと役かってる。そういうセンス、超好み。

 

 

雪深深 (藤あや子)

は?! 蘭兵衛さん来たーーー?!?
白い長髪の太一くん登場で、またまた心拍数爆上がりしました。小さな傘で隠してた口元が見えて、そこに赤い紅が現れたので蘭兵衛さん像は吹っ飛びましたけれど。
お着物は雪月花と同じ。鬘を白銀長髪に替えて、上に羽織る白いお着物も、薄手の紗からお着物と同じものに。群舞の女性が紗の羽織ものなので、そこの対比も絶妙。
太一くんは指先が本当に綺麗よね。「しんしんしん、雪が〜舞う舞う〜」の振りが特に好き。
5人での舞踊は第一部を締め括るに相応しい、豪華で美しい舞でした。眼福。幸せの極み。お疲れ様でした。(いやまだ終わってない)

 

 
第二部  お芝居

二人忠次

とにかく面白い。大好き。お芝居でここまで笑ったのは久しぶりのこと。
ええと、ここだけの話、おちゃらけたおじさん(じんじろべぇ)が太一くんだって気づかず最後まで大笑いしながら観てました(!)
太一くんいつ出てくるのかなー、相手のヤクザの大親分役かな?って非常に能天気に思いながら、あらやだこのおじさん超絶上手いし演技が超好み!後でお名前確認しなきゃ!って思ってたんですよね。このおじさんが太一くんだって気づいたのは、二部終わって幕間の物販の時です(笑)
「座長、どうぞ〜!」の陽之介さんの掛け声でおじさん現れて、しばし賢者タイムに突入。おじさんと太一くんを結びつけるのにちょっと時間かかりました…!
まあでもおちゃらけおじさんが太一くんだと分かっていたら、ここまで大笑いしていたかどうか。純粋にお芝居を楽しめたということで良しとしましょう(笑)
須賀くんはすぐにわかったのにね。何で太一くんだってわからなかったんだろう。太一くんじゃなかったらじゃあ一体あれは誰なのよ?って話よね(笑)
大笑いポイントは挙げきれないくらいに沢山あって、演目として大好き。後ろで大笑いしている奈々さんが本当に楽しそうで、笑いの絶えない劇団って良いなあってほんわかしました。
須賀くんはアドリブで鬘を飛ばされたりして大変そうだったけど(笑)
大満足。また是非観たい。

 


第三部 


MATA(C)TANA (米米CLUB)

全員のお祭り騒ぎ。
会場が真っ暗になっているうちに幕が開けてあって、パッと照明点いたら全員舞台上に勢揃いしてた。ちょっと感動。
全員の紹介もあって、ノリノリのダンスとみんなの笑顔に癒される。

 

 

お祭り忍者 (忍者)

朱ジャニーズのネーミングセンスが良い(笑)
須賀くんセンターの男性群舞。須賀くんが可愛すぎる!
そしてみんなカッコいい!
元気いっぱいのステージは、見てる方も笑顔になる。

 

 

ヤマトナデシコ七変化 (小泉今日子)

鈴花あゆちゃんの踊り。
あゆちゃんは背も高いしとても舞台映えする。可愛い。
この曲使うなら、もっと笑顔があった方が良くなると思うのは私だけ?
まだ19才。これからどんどん伸びる。今後の更なる活躍に期待。

 

 

情熱のルンバ (殿さまキングス)

太一くん(キラキラ衣装にサングラス)と須賀くんのダンス。
須賀くんがこんなに女装が似合うとは思ってなかった!
からの〜
どうにも止まらない (山本リンダ)

どうしよう。須賀ちゃん似合いすぎてびっくり。こんな派手派手衣装なのに!
ゲスい顔もヤバイ。半目になるところとか、本当にもうどうしようね??素晴らしい役者魂見せてもらいました!須賀ちゃん最高。

 

 

Gang★ (福山雅治)

太一くん何ですか! その荒廃的な色気は!?
黒の蜘蛛の巣柄のお着物の下には黒のワイドパンツ。そして赤の帯と赤の紗のお着物を羽織る。途中、赤の煙管を帯に差したところで色気メーター吹っ切れて、軽く意識飛ばしそうになりました。踊って行くうちに、最初はちゃんと袖を通していた赤い羽織が、脇の開いた部分から手を通して着る感じになっちゃって、そうすると赤のお袖部分がいい具合に折り重なりながら流れて、黒い着物のお袖との対比に色気が出すぎてヤバイ領域に突入…。
正気ですか太一くん!(正気じゃないのは私だ)
受けたイメージは高級遊郭の若旦那。
忘八稼業は人々から蔑まれる職業ですからね、そりゃあ荒廃的にもなりますわ……(勝手な解釈)。更に毎日花魁見てたら色気も出るわ自分の魅せ方もプロになっちゃうわで、もう言葉にならない(語彙力)。
終盤何か黒いものが目の前横切って、は?って見たら舞台上に黒い物体が。え? なに? 危なくない?って動揺してたら、落ちてることに気づいた太一くんもちらりと目で確認して、最後その物体を回収して行きました。よく見たらハイヒールだった! ハイヒール片手の最後のポーズ最高じゃない?!

 


Deep Kiss (B’z)

お衣装はGang★と同じもの。赤の羽織は無し。
冒頭すぐ目の前まで来てくれて、ヤバイ!アップだ!って思ってたら、その場でガンガン踊りーの扇子ぶんぶん振り回しーの状態になって、気絶するかと思った。
とりあえず半分意識飛ばしながら拍手マシーンと化し、ただひたすらに格好いい太一くんを拝んでました。合掌。
しっかし太一くんの身体能力ヤバイな?! 体操選手かな。

 

 

道心 (Rin)

ラストへのプロローグ。劇団員さん総出。赤の旗を振り回す演出が格好良いの一言。衣装は中国風と言うのか騎馬民族風と言うのか。とても舞台映えして大好きなデザイン。これから続くラストへの盛り上がりを感じて、否応なしに期待が高まる。

 


歳々年々 (Rin)

ここは友貴くんと2人での場面だけど、今日は太一くん1人。友貴くん居なくて残念だとか、1人だと違和感あるとか全く感じることはなく、最初からここは太一くんだけの場面だったんじゃないかと思うくらいに完璧。見入っているうちに涙が出てきた…。観客も随所で惜しみない拍手を送っていて、みんな心はひとつだなあと感激。
赤いマントが超絶格好良い!
扇子を口に咥えて赤マントを手で持ってくるっくるって回るところも大好きだし、「年々歳々〜」で片手で器用に扇子を開くところは思わず唸り声出た(大好き)。
やばい、涙止まらん…。

 


光明 (Rin)

全員でのラスト。
朱雀のラストを飾るに相応しい和楽器の音色。後ろのカーテンが開いてみんなが並んでるところは圧巻。Rinさんの楽曲と朱雀の相性は本当にばっちりだなー!と感激しながらも、ああもうこれで終わっちゃうんだと思うと、手拍子しながらも悲しさが込み上げてくる。
6人が太一くんの後ろに並んで、千手観音よろしく両手を上げる場面は大好きなんだけど、正面から見ないとその良さがよく分からないって今日初めて知りました(笑)。
最後まで全力で踊りきった太一くんの表情が本当に美しくて、この時間を多くの方と共に過ごせた事が嬉しくて、放心状態でひたすら拍手してました…。ありがとう朱雀!


アンコール
千本桜
Shake Hip (米米CLUB)

 

【総括】

三部構成の約3時間、私にとって1分たりとも飽きずに全てを全集中の気持ちで観られたのは奇跡に近いことでした。
太一くんの妥協を許さない全力の舞踊と演技は、観るものの魂を揺さぶり、そんな彼を全力で支える出演者のひたむきさは感動を誘う…。
演者と観客が同じ空間で同じ空気を吸い、ひとつになった一体感は筆舌に尽くしがたいものです。特に2日目は配信もあったし、全国の朱雀ファンが、同時刻同場面に心を寄せてると思うと感激もひとしおでした。

公演直前に突然流れてきた、友貴くん降板のニュースには驚きを隠せなかったですが、一方でコロナ感染ではなかった事にひとまず安堵しました。コロナなら、舞台全部吹っ飛びますもんね。不幸中の幸いに心から感謝です。
友貴くん不在の分、太一くんの精神的、体力的負担は相当なものだったと思います。それにも関わらず、最後まで疲れを感じさせない全力の舞台を見せて下さってありがとうございました。22日には友貴くんも戻って来ますし、出演者の皆さまが千秋楽まで怪我なく、無事走り抜いて下さることを願って止みません。
また近い将来、劇団朱雀の公演を観に行く機会が訪れますように。

 

*初めて劇団朱雀の公演を観劇したら、思った以上に感激しちゃって、慌てて文章に残しました。拙い文章でしたが、最後までお付き合い下さいました方々、ありがとうございました!